
「営業は準備ができてから動く」──これは長らく不動産業界での常識でした。
販売図面や物件専用サイトなど、提案に必要な資料がそろって初めて営業が動き出す。そのためには外注や社内の制作担当への依頼が必要で、場合によっては1日、2日と待つことも当たり前。しかしその常識が、今まさに変わりつつあります。
今求められているのは、「営業が止まらない体制」です。提案資料が即時にそろい、営業担当がその場で顧客に情報を提示できる。こうしたスピード感が、成約の確率を上げ、顧客の信頼を獲得することにつながっています。
本記事では、不動産中小企業における“図面待ち”の課題を明らかにし、それを解消するDX手法、そして具体的な成果を上げている実例をご紹介します。
“図面待ち”は、営業チャンスの損失リスク
図面が仕上がっていないから、今日は提案できない。あるいは、帯情報の変更を外注に依頼していて、修正済みのPDFが届くまで顧客に資料を出せない。こうした状況が、実際の不動産営業現場では珍しくありません。
営業にとって最大の価値は「タイミング」にあります。
興味を示している顧客に対して即座に物件情報を提供できれば、提案の確度は高まり、競合に先を越されるリスクも減少します。一方で、たった1日の資料遅延が提案のチャンスを失わせ、結果的に成約を逃すこともあるのです。
特に中小企業では、営業と制作を兼任しているケースも多く、資料作成の工数が営業担当者に重くのしかかっています。限られたリソースの中で、「営業が動きたいときに動けない」構造は、改善すべき最優先課題といえるでしょう。
営業資料は「準備するもの」から「5分で揃えるもの」へ
資料作成を効率化する手段として、外注の活用や内製チームの拡充が考えられますが、コストやスピードの面で限界があります。
そこで注目されているのが、DXによる資料の自動生成です。たとえば、物件情報を入力するだけで販売図面や物件専用ページを5分で自動作成できる仕組みを導入すれば、これまでの“資料待ち”時間を大幅に削減できます。
このようなDXの特徴は、以下のとおりです。
- 外注依存の排除:社内で完結するためスピードが向上
- 属人化の解消:特定のスタッフに依存せず誰でも操作可能
- コスト圧縮:制作外注費用を削減
- 品質の安定化:テンプレートによるデザインの均質化
加えて、物件ごとの専用サイトも自動で生成できるようになれば、仲介会社や顧客との共有が迅速になり、提案の幅が広がります。
“準備してから動く”のではなく、“動きながら資料を出せる”営業へ。これが、営業が止まらない体制づくりの第一歩です。
営業1名でも回る。RetHUBが変えた“止まらない現場”の実例
こうした仕組みを実際に運用しているのが、RetHUBを導入した中小不動産会社です。
この企業では、以前まで販売図面を外注で制作しており、1件につき1〜2営業日を要していました。営業担当者はその間、提案を保留せざるを得ず、また帯の修正や価格変更があるたびに再依頼と再送作業が発生していました。
RetHUBを導入してからは、以下のような変化が見られました。
- 物件情報入力後、5分で販売図面と物件専用ページが完成
- 帯の変更、価格更新も自動反映
- 社内での確認や承認プロセスもスムーズに
- 外注コストがゼロになり、月5万円以上の経費削減
- 営業1名あたりの提案件数が月間1.5倍に増加
特筆すべきは、営業担当が「資料を待たない」「作らない」状態になったことで、営業そのものに集中できるようになった点です。提案スピードの向上は、顧客の満足度にもつながり、結果として契約率の上昇にも寄与しています。
このように、RetHUBのようなツールは「人手を増やす」のではなく、「今いる人が最大限に動ける環境を整える」ための現実的な選択肢となっています。
さいごに
「図面が揃わない」「帯を直している」「サイトがまだできていない」──そういった理由で、提案が翌日や翌週に持ち越されているなら、営業のパフォーマンスはまだ伸ばせます。
営業の成果を左右するのは、提案内容の質だけではありません。**「どれだけ速く動けるか」**が問われる時代において、“資料の準備に縛られない営業体制”を構築することは、もはや特別な施策ではなく基本条件といえるでしょう。
RetHUBを活用すれば、図面・サイトの自動生成によって、営業の即応性と生産性を大幅に向上させることが可能です。人を増やさず、業務を止めず、営業の手を止めない。そんな仕組みづくりを、今こそ検討してみてはいかがでしょうか。