
人手不足に悩む中小不動産会社において、営業担当者が「営業」以外の業務に追われているという声が多く聞かれます。
図面作成や価格変更に伴う資料の再送、物件確認の電話対応など、本来の業務とは異なる作業が日常的に発生しており、それが営業効率の大きな妨げとなっています。
このような環境下で、いかにして営業担当が提案やクロージングといった本来の業務に集中できる体制を築けるか。その鍵を握るのが「営業DX」です。
本記事では、「人手が足りなくても回る」状態を実現した企業の事例と、再現性の高い仕組みづくりのポイントを取り上げます。
営業が動けない理由は「本業以外の業務」だった
中小不動産会社では、営業担当者が物件の販売だけでなく、事務作業も担うケースが珍しくありません。
たとえば、以下のような業務が日常的に発生しています。
- 物件確認の電話対応(FAX含む)
- 販売図面の作成や修正
- 帯(会社情報)の差し替え
- 価格変更に伴うPDF資料の再送
- 物件ごとのWebサイト構築や更新作業
これらは一件一件は数分の作業かもしれませんが、1日に10件対応すれば1時間以上が“作業”で消えていきます。
さらに、こうした作業はタイミングを選ばず発生するため、提案中や商談中であっても割り込みが発生しやすく、営業の集中を妨げる要因にもなっています。
つまり、営業が「営業として動けない」構造こそが、売上や顧客対応のクオリティを下げる根本的な要因なのです。
現場が“回る”ために必要なのは「無理をしないDX」
中小企業がDXに対して尻込みしてしまう理由の一つに、「自社には難しい」「初期費用が高い」といった先入観があります。
確かに、複雑なシステムや高額な開発投資は中小企業にとって現実的ではありません。しかし、“無理をしないDX”であれば、少人数体制の企業でも十分に導入・運用が可能です。
ポイントは2つあります。
1. 自動生成による作業負担の軽減
販売図面や物件ページの作成を、ツールによって“自動化”することで、営業担当者の手を動かす時間を削減できます。これは単なる効率化ではなく、営業本来の仕事への回帰を意味します。
2. 現場で“自走できる”操作性
ITリテラシーが高くない担当者でも、感覚的に使えるインターフェースや、初期設定が簡易な仕組みが必要です。これにより、システム担当がいない会社でも、現場がDXを受け入れやすくなります。
こうした条件を満たしたツールであれば、DXは特別なものではなく、日々の業務改善の一環として自然に定着していきます。
月30時間の作業削減。「営業1名体制でも成果が出る」現場の実例
実際に“営業DX”に取り組んだ中小不動産会社の事例をご紹介します。
この企業では、営業1名体制で複数エリアの物件を担当しており、従来は外注と内製を併用しながら販売図面や物件サイトの更新を行っていました。しかし、更新頻度の高さと手作業の多さから、営業が動けない状態が続いていました。
そこで導入したのが、不動産業務に特化したクラウドツール「RetHUB」です。
RetHUBを導入後は、以下のような変化がありました。
- 物件情報を入力すると、5分で販売図面が自動生成される
- 帯の差し替えもワンクリックで完了
- 物件専用Webページも同時生成され、即URL共有可能
- 外注が不要となり、確認作業もほぼゼロに
結果として、営業担当1名の作業時間が月30時間以上削減され、その時間をすべて提案活動や顧客フォローに充てられるようになりました。
営業1名体制でも前年比120%の契約実績を記録したことからも、この変化が「業務効率化」にとどまらず、「売上拡大」につながっていることがうかがえます。
さいごに
営業DXとは、決してテクノロジーを導入すること自体が目的ではありません。
人手が限られている中で、営業が営業として動ける状態をつくる。それこそが、現代の中小不動産会社にとって最も重要な業務改善であり、DXの本質です。
その第一歩として、作業を減らす・属人化をなくす・スピードを上げるといった「すぐできる改善」から始めてみることが効果的です。
RetHUBは、まさにその改善を支援するために設計されたツールです。図面や物件サイトの作成にかかる手間を最小限に抑え、現場の担当者が自走できる操作性を備えています。
「人手が足りないからできない」ではなく、「人手が足りないからこそ、効率化する」。そう考えたとき、営業DXの必要性は一層高まります。
営業が“動ける”体制づくりを、今こそ本気で考えてみてはいかがでしょうか。