人口減少に伴う土地建物の需要の変化を読むことは難しく、不動産業界は生き残りをかけた熾烈な競争の時代に突入しています。

しかし、一方で中小規模の不動産業者が独自性だけを武器に生き残るハードルは高く、同業者と協力した方が良いケースもあります。互いに得意とする物件の情報を共有し、BtoBでビジネスチャンスを拡大することも可能だからです。

顧客のニーズ発掘や情報交換のために不動産コミュニティサイトを運営する不動産会社も存在し、顧客だけでなく業者間をつなぐ場としても使われているのです。

1. ビジネスチャンスを増やすためにコミュニケーションが重視されている
2. コミュニティサイトの構築方法で収益への繋げ方がかわる
3. 信頼性の向上がマッチング率向上にもつながる
4. コミュニティサイト構築はノウハウのある業者に任せるのがおすすめ
5. 不動産コミュニティサイトのメリットは大きい

ビジネスチャンスを増やすためにコミュニケーションが重視されている

不動産のニーズ発掘や販売機会の拡大は一筋縄ではありません。プロであっても読めない情報は多く、情報の収集に時間をかけすぎて売り時を逃すケースもあります。リスクとリターンのバランス調整が非常に難しく、誰もが頭を悩ませる部分になります。

例えば、都心で人気が高いエリアといっても、世田谷区、目黒区、大田区、渋谷区、品川区、港区など、それぞれの区で事情が異なるのがポイントです。

自社で情報を収集できる範囲に限りがあるだけでなく、扱える物件規模、件数にも限界があります。無理に手を出してしまえばリスクが勝ってしまうため、商機を増やすチャンス自体に臆病になってしまう経営者は多いのです。

そこで重要になるのが、業者間や顧客と不動産業者を結ぶコミュニティです。

さまざまな物件情報を扱う不動産業者と、実際に住んだ顧客では扱う情報に違いがあります。また、不動産業者間でも共有した方がメリットになる情報も多く、コストの削減につながる可能性もあります。事前にコミュニケーションをとることで、さまざまなメリットを得ることができるのです。

コミュニケーションを自由に取れる場として使いやすいのが、不動産情報のコミュニティサイトです。BtoC重視、BtoB重視、あるいはどちらか専門のコミュニティサイトを作ることもできます。

ニーズの発掘などにもプラスになるため、積極的にコミュニティサイトの構築、運営に乗り出す不動産業者は珍しくないのです。

コミュニティサイトの構築方法で収益への繋げ方がかわる

不動産コミュニティサイト構築と運営にはさまざまなメリットがあります。

自社で運営する場合のメリットを簡単にまとめます。

不動産コミュニティサイトはさまざまな人が集まり、意見や口コミを投稿し、コミュニケーションをとる場になります。最新の地域事情などを収集するのに格好の場です。良い口コミだけでなく、不満も貴重な情報源になります。

不満を解決するような物件を紹介する、あるいは物件の大幅なリフォームなども含めた大きなビジネスチャンスにつながる可能性があるからです。

競業不動産業者とのコンタクトを容易にし、パートナーシップを結ぶといった選択もありえます。同業者間でもどのような不動産業者か把握するのは難しいケースもあるため、活動の一部が可視化されるだけで信頼関係構築にプラスになります。

また、サイトのスペースの一部を広告スペースとして提供することも可能です。不動産業者からの広告収入をメインの収益源にし、事業の柱を増やすといった使い方もありえるのです。PV数などがそれほど高くなくても、広告単価の高さで黒字になるケースもあります。

情報を主体に、さまざまなアプローチで収益源につなげられる可能性もあるのが不動産コミュニティサイトになっています。

信頼性の向上がマッチング率向上にもつながる

コミュニティサイトで情報が集まるようになれば、さまざまなニーズが発掘され、マッチングが進みやすくなります。公開方法によってアプローチする対象は異なるものの、精度の高い情報が多く、信頼性が向上するほど不動産売買や契約に対するハードルが下がるためです。

物件や地域に関する情報が多いかどうかは、不動産の流動性に大きな影響を与えます。不動産会社一社だけが行動しても、集められる情報には限度があります。

しかし、専門業者が複数で、手持ちの口コミなどを集約すれば精度の高い情報を集めることが可能です。情報の透明性は特に重要視されるのがポイントで、不動産会社から積極的に開示することで信頼性の向上につなげることができます。

消費者が口コミを投稿できるようにすれば更に範囲が広がります。情報量が多く、交流が活発になれば検索エンジンからの消費者の流入も見込みやすくなります。結果、情報を開示した不動産業者、広告スペースに掲載した物件情報へのエンゲージメント率、成約率が高まる可能性があるのです。

不動産は人生を通して大きな買い物になることが多く、それだけ慎重になる人が多いジャンルにもなります。新築、リフォーム、中古売買、賃貸、BtoC、BtoB、それぞれビジネスモデルが異なるからこそ、協力しやすい不動産業者もあります。

積極的に交流の場を増やし、互いの顧客のニーズを埋めつつ、新たに市場を開拓することでシナジーを見込めるのがコミュニティサイトでもあるのです。

コミュニティサイト構築はノウハウのある業者に任せるのがおすすめ

さまざまなメリットのある不動産コミュニティサイトですが、サイトの構築ができる人材や、ノウハウを持った不動産業者自体が珍しくなります。情報発信の重要性が高まるにつれ、専門的な人材確保が難しくなり、人件費も高騰する傾向があるためです。

一方で、Webサイトの構築や運営、各種企画立案を得意とする専門業者も増えています。自社の人材でサイトをゼロから作るよりも、ノウハウを持った専門業者に依頼した方が効果が見込めるだけでなく、コストも安いケースは珍しくなくなっています。

費用対効果の見込みも含んで出せるような、コンサルティングも含めた提案を行う専門業者も存在します。過去の運営データを生かせば、数字の見込みも立てやすくなり、積極的に開示できる情報も増えるからです。

不動産専門で広告動画やWebサイト作成、さらに運営まで行ってくれる業者もあるため、まずはどの程度のコストや納期になるか問い合わせてみるのもおすすめです。

不動産コミュニティサイトのメリットは大きい

不動産コミュニティを作るメリットは大きく、特にその運営者に利益が集中する傾向があります。

ビジネスのスタイルによってはポータルサイト化し、広告収入を得る方向にシフトすることもできます。広告スペースを自社で確保し、不動産業者から直接広告料を得るビジネスが視野に入るのも特徴です。

情報が集まることによってニーズが発掘しやすくなるだけでなく、物件とのマッチング率向上が目指しやすくなるのもメリットになります。

利点が多いからこそ、不動産コミュニティサイトが注目を集めているのです。