不動産仕入れの努力は不動産買取業者にとっては欠かせません。買い取った不動産を販売することで利益を得るのが不動産買取の基本的なビジネスモデルだからです。
しかし、開業ブームによって個人事業主として不動産業界に参入するケースが増えてきた影響もあり、不動産仕入れが難しい状況が生まれています。今後も事業を継続していくためには時勢に合ったビジネス展開をしていくことが重要です。
不動産仕入れではIT活用によるオンライン化がカギになっています。この状況を正しく理解し、今後の事業の方向性を検討していきましょう。
- オンライン化によるチャンスの到来
- 不動産仕入れのオンライン化で重要なポイント
- まとめ：不動産仕入れをオンライン完結型にして特化しよう
・オンラインサービスの活用が拡大
・オンラインシステム導入のコストが低下
・オンライン完結型サービスに仕上げる
・店舗の必要性を検討する
・広告経費削減に努める
オンライン化によるチャンスの到来
不動産仕入れをオンライン化することでチャンスが生まれる時代が到来しています。
ITの活用は各方面で進められていますが、その中でもカギとなるのがオンラインでサービスを提供することです。まずはこの時代背景を詳しく知っておきましょう。
オンラインサービスの活用が拡大
現代社会ではオンラインサービスの活用が急速に拡大しています。インターネットの利用が浸透してからオンラインサービスの利用が進んでいたのは確かですが、複数の社会要因があって浸透速度が急激に上がっています。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出の自粛やリモートワークの推進は自宅でも利用できるサービスへの注目度を高めました。
インターネット通販だけでなく、従来は店頭で受けていたサービスをオンラインで利用したいという声が高まっています。医療でもオンライン診療が取り入れられるなど、サービスも充実してきているのが現状です。
5G時代の到来もオンラインサービスの活用が進んでいる理由です。モバイル環境でも高速通信が可能になるインフラが構築され、ビジネスでの積極的な活用が望まれるフェーズに入っています。5Gによってビデオ通話や動画なども消費者がストレスなく利用できるようになり、オンラインサービスの価値が高まっています。
不動産業界でもオンラインで仲介相談を受け付けたり、物件紹介をしたりするサービスが登場してきています。このような流れに乗じてオンラインサービスを不動産買取でも導入するのは合理的と言えます。
オンラインシステム導入のコストが低下
オンラインサービスを提供するためにはシステムの導入が必要です。その導入コストが低下して新規導入をしやすい状況が生まれているため、不動産仕入れのオンライン化による事業展開が現実的に可能になっています。
事業としても利用可能なビデオ通話アプリやクラウドサーバーなどが充実し、価格競争も繰り広げられるようになりました。サービスの種類に関して、選びやすいだけでなく費用対効果の高いものを厳選できるようになっています。
従来は自社のサービスに合ったプラットフォームを自社サーバー上に構築しなければオンラインサービスを提供するのは困難でした。しかし、多様なビジネスに対応するサービスが提供されるようになり、新規導入をしやすくなっています。
今までコスト面でオンライン化を断念していた場合にもチャンスが到来しているのが現状です。
不動産仕入れのオンライン化で重要なポイント
不動産仕入れのオンライン化をするためには新規顧客獲得を促進することが不可欠です。同時に営業利益を上げるためにはコスト削減の視点も必要になります。
現代の時勢を考慮するとどのようなビジネス展開を考えられるのでしょうか。
オンライン完結型サービスに仕上げる
不動産仕入れに関連するサービスを全てオンライン完結型に仕上げる戦略がカギになります。
現状でも不動産買取の査定をオンラインで受け付けるサービスは存在しています。しかし、最終的には店頭での取引が必要になるというシステムが一般的です。
消費者にとっては店頭に行かなくて良いのが大きなメリットになります。オンラインで査定を受けて、契約書を交わし、物件や書類の引き渡しと代金の受領を全て行えれば満足度の高いサービスとして注目してもらえます。
不動産買取に関わる書類のやり取りには郵送が必要になるでしょう。しかし、サービスの説明や契約書の確認など、通常は店頭で行っている取引をオンライン化すれば消費者の来店負担が減ります。来店不要の買取サービスを提供できれば、営業エリアも拡大することが可能です。
ビデオ通話を利用すれば互いの表情を見ながら買取の打ち合わせを行えます。消費者の中には対面でないと不安があるという人も多いので、申し込みや査定の時点でビデオ通話による打ち合わせをする機会を設けると選ばれるサービスになるでしょう。
店舗の必要性を検討する
不動産仕入れのオンライン化を進める際には店舗の必要性を十分に検討することが大切です。店舗経営による不動産仕入れはオフラインの新規顧客獲得に欠かせないでしょう。
しかし、オンラインサービスの利用が急速に広まっている現代では店舗経営による不動産仕入れが効果的かどうかはよく考える必要があります。
オンラインサービスによって不動産買取を行えるのであれば店舗を構えることは必須ではありません。業務を行うためのオフィスのみに縮小すれば固定費を大幅に削減できます。その分を買取価格に上乗せすれば顧客満足度が高まり、新規顧客獲得をしやすくなるでしょう。
このような視点で店舗の必要性を吟味し、オンラインサービスの導入と合わせてオフィス移転も検討するのが重要です。
広告経費削減に努める
オンライン化を積極的に進めるには新規顧客獲得のための宣伝広告が必要になります。しかし、宣伝広告費がかさんでしまうと買取価格を上げざるを得なくなり、新規顧客獲得が困難になるリスクがあります。
オンラインで不動産仕入れを進めていくためには広告経費削減に努めるのは必須です。
リスティング広告やウェブ広告、動画広告などを活用して積極的に消費者にアプローチするのは集客効果が高いでしょう。しかし、コストパフォーマンスが必ずしも高いわけではありません。
まずはSEO対策から始めて検索エンジンからサイトへの流入を期待するのが合理的でしょう。ランディングページを作成して、不動産を売りたいと考えている消費者を問い合わせに導くのも効果的です。
継続的な費用がかかる広告戦略は長期的に買取価格の上昇を生む結果をもたらします。初期投資に費用をかけて大きな集客を目指し、長期的には広告経費削減を重視する方策を取るのが成功につながります。
まとめ：不動産仕入れをオンライン完結型にして特化しよう
現代の社会情勢を考慮して不動産仕入れの競争力を高めるには、オンライン完結型サービスを提供するのが効果的です。来店不要で不動産買取査定から代金の受領までを終えられるサービスは広範囲の新規顧客獲得につながるビジネスの展開の仕方です。
オンラインサービスを重視する際には店舗の必要性と広告経費削減も考慮して計画を立てることが重要です。徹底したコスト削減をして買取価格を上げることを目指せば集客力は高まります。
IT活用のコストが下がっている状況や競合他社が増える現状を加味し、オンライン特化型のサービスの提供を検討しましょう。
